平均足とは?
FXや株をやっていて平均足というものを目にしたことはありませんか?ローソク足はどんなチャートでも表示されるメジャーな足ですが、似たような名前で平均足というものも実は存在しているのです。
別名コマ足ともいわれおり、あまり聞きなれないかもしれませんが、日本の古くから伝わる値動きの分析方法なのです。
平均足とローソク足との違いは?
平均足の形はローソク足と類似しており、実際にはローソク足の改良版とも言われています。以下にローソク足と平均足を上下に並べて比べてみました。
上のチャート(緑色)がローソク足で、下のチャート(赤と青)が平均足です。どちらもレートの値動きを表わすものには変わりありませんから、似たような形になってしまいます。
ローソク足と平均足についてもう少し詳細に見ていきましょう。
ローソク足は始値から終値が実体部分として表され、高値や安値部分はヒゲとして実体部分の上下に表されています。それに対して、平均足は高値安値のヒゲはローソク足と同じですが、実体部分が異なります。
平均足の実体部分の始値は前の足の始値と終値を2で割ったもの、終値は今の足の始値と高値・安値・終値の平均です。以下にローソク足と平均足を図で紹介します。
ここで、ローソク足と平均足とを見比べると、終値が違うことがわかります。平均足は終値が始値・終値・高値・安値の4つの値の平均値なので、現在値がどこになるのかわかりません。
ローソク足を見慣れた状態で平均足を見たときに、現在のレートと終値が違っているので少し戸惑うかもしれませんね。
平均足のMT4への設定方法
では、平均足のMT4での設定方法を紹介します。画面上部の挿入のタブから「インディケータ」→「カスタム」→「Heiken Ashi」をクリックします。
平均足のそのままローマ字読みかと思いきや、ヘイケン足になってしまっています。なんでやねん!とツッコミを入れたくなりますが、日本古来の分析方法がゆえに英語表記がないのでしょう。
一目均衡表と同じ扱いです。すると、下記のような画面でパラメータを設定する画面になります。
パラメータと言っても、平均足の色だったり線の太さなどですから、OKを押して画面上に表示させましょう。
画面上に平均足が表示されましたが、ローソク足と重なっています。上のパラメータの設定がおかしいのでは?と思っていろいろと変えてみましたが、どうしても重なって表示されてしまいます。
このチャートでも使えないことはないですが、最初の図のように別ウィンドでローソク足と平均足を見比べたいという人もいますよね。
そのためには、「Heiken_AshiH_sw_mtf」というインジケーターをネット上からダウンロードする必要があります。
まずは、ネット上からHeiken_AshiH_sw_mtfのファイルをダウンロードします。ダウンロードしたファイルは以下のフォルダへ移動です。
「ファイル」のタブから「データフォルダを開く」をクリックします。その後。「MQL4」→「Indicators」をクリックします。
このフォルダにダウンロードしてきたHeiken_AshiH_sw_mtfを移動です。しかしながら、これだけでは、このインジケーターは動きません。
この後コンパイルという作業を行い、MT4上でこのインジケーターを有効化させる必要があります。そのためには、「ツール」→「メタエディター」をクリックします。
すると次のようなメタエディターの画面に移動します。
左のナビゲーターの「Indicators」フォルダ→「Heiken_AshiH_sw_mtf」をクリックすると、下記のようなプログラミングの文字列が画面上に表示され、画面上部のコンパイルというアイコンをクリックすると、コンパイル完了です。
何も問題がなければ、下記のような画面になります。
0 error、0 warning とあるので、問題なくコンパイル完了です。コンパイルが完了すると、Heiken_AshiH_sw_mtfを入れたフォルダ内に、Heiken_AshiH_sw_mtf.ex4というファイルが出来ています。
これでHeiken_AshiH_sw_mtfが使える状態になりました。しかしながら、コンパイルした直後のインジケーターはすぐに使えるわけではなく、MT4を再起動する必要があります。
再起動後に、再び「挿入」→「インジケーター」→「カスタム」にすると、Heiken_AshiH_sw_mtfが表示され、クリックすると下記のように平均足がローソク足とは別ウィンドで表示されてます。
ただし、5分足などの短い足で表示させるとおかしな足になってしまうので、パラメーターの入力の画面江TimeFrameを0にしてあげる必要があります。
平均足の使い方
平均足が最も優れている点は、視覚的にトレンドがわかりやすい点です。上のチャートで赤と青で平均足が色分けされていますよね。上昇トレンドの時は青色の足が連続して、下降トレンドの時は赤色の足が連続しています。
ローソク足の場合だと、上昇トレンドでも陰線と陽線が入り乱れていますが、平均足の場合は連続して、青色の足がパッと見でどちらの方向にトレンドが発生しているのかがわかりやすいのが特徴です。
うまくトレンドに乗ってエントリーをした場合、どこで利確するかを悩みますよね。ローソク足で陰線が出たから利確したけど、その後の足から反転してどんどん上に上がっていって、もったいない思いをしたことはあるでしょう。
平均足であれば、トレンドが出ているときはずっと同じ陽線が出続けるので、早すぎる利確を防ぐこともできます。要は、陰線(色が違う足)がでるまで保有し続ければいいのですから。
例として下記に図を示します。上のローソク足だと、いったん押し目で陰線を付けている箇所があります。それに対して平均足であれば、青色が連続で続いています。色が変わるまで保有し続けることで、利を伸ばすことが可能になります。
これは逆にエントリーとして使うことができます。同じ色の足が出続けていた後に、異なる足がでたら反転のサインとして使うのです。例えば、長期足で水平線やトレンドラインを引いておきます。レートがその付近になった時に、1時間足や4時間足で平均足が反転したら、エントリーといった具合です。
平均足で注意すべきところ
平均足はトレンドを視覚的にわかりやすく表現しているとありました。ですが、見方にちょっと注意点があります。それは終値がわからないということです。
ローソク足との違いの項でも少し紹介しましたが、平均足の終値は始値・終値・高値・安値の4つの値の平均値なのです。水平線やトレンドラインなどで使われている値はほとんどがローソク足の終値なのです。
なので、ローソク足で引いたラインと平均足で引いたラインは乖離してしまいます。ローソク足のラインのほうが見ている参加者が多いため、そちらのほうが信ぴょう性が高いと思われます。
あと、足のヒゲの扱い方についてです。ローソク足の場合、長いヒゲがでたら相場の反転を意味することが多く、特に底値圏での下髭や高値圏での上髭などはよく知られています。
しかしながら、平均足の場合はそうではなく、髭がでたら髭を埋めに行く方向に動くことが多いのです。上髭がでたらもっと騰がる、下髭がでたらもっと下がるといった感じです。
まとめ
以上のように、平均足についての説明を行ってきました。途中、インジケーターのコンパイル方法などちょっと脱線してしまいましたが、これからMT4を使いこなすうえで必ず必要なことなので、覚えておいて損はないはずです。
あまり馴染みのない平均足ですが、ローソク足と比べると視覚的にエントリーや手仕舞いのサインとして非常にわかりやすいです。初心者の方にはおススメのインジケーターではないでしょうか。